激かメ人間伝

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続・健康診査

この間の話↓の続きなんだけど〜。

 

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そして健康診査当日の朝。小さきベンも採取したので3つのベンが揃いし時来たれり。灰色の衣を纏いし者、健診に出立する。俺の服は大体灰色である。黒では無い所に僅かな矜持を感じ取って欲しい。でもでも〜、なのに〜、はたから見たら黒も灰色も大して変わらんの〜? ホゲェ〜。

 

本日の健診は市民会館のような場所で行われるので自転車で向かう。知らん人たちと一緒にベルトコンベア式の流れ作業で健診を受ける。これはエリートほど効率的な扱いを受けるということかもしれない。エリートほど規格化されている。自転車で健診に行くところもエリートっぽい。西海岸のエリートは自転車に乗っているイメージがある。良く考えられている。

 

着いた。その日、市民会館では音楽の発表会のような催しも開かれており、入り口は着飾った連中で溢れていた。輝いている。そうした青春と隣り合わせに、灰色のエリートは便を入れたリュックを背負い市民会館の門をくぐった。そして青春たちは華やかな大ホールへと向かい、ベン・リュックマンは薄暗い地下にある健診受付に向かう。言うまでもなくリュックも灰色である。

 

受付に到着し、受診券や記入済みの問診票などを差し出す。いや、大事な物を忘れていた。大変な思いをして保管しておいたベンらもお渡しせねばなるまい。ごそごそ。はい。お届け物です! 「私このベン嫌いなのよね」。突き返された。受付に出すものではなかったらしい。

 

ベルトコンベアで流れていった先でベンは受け取ってもらえた。ベルトは更に流れていく。まずは血圧を測る。ブーン。あ? 見たことない数字出た。なんか高くね? 「もう一回測りますね」。ブーン。変わっていない。「リラックスしてください。もう一回測りますね」。ブーン。んっ…。大体よお、リラックスしろって言われてリラックス出来るやつそうそう居るか? 就寝中にベットの下から俺がズリズリと這い出てきて耳元で「リラックスしろ…」って囁いたらお前はリラックスすんのかってな。

 

しかしベルトコンベアの流れは絶えずして、身長体重を測ったり採血するのごとし。俺は採血の時、刺される部分を凝視する。マッチョイズムによるビビってないぞアピールである。というかどこを見れば良いのか分かんない。あれ目を瞑ったりすれば良いのか。それとも虚空を見るのか。あ、痛い。いつの間にか刺されていた。泣きそう。

 

更に流れるベルトコンベア。流されて問診島。問診スペースでお医者様が待っておられた。「血圧高いね〜」「もう一度測ってみますね」。また測んの。まあ採血後だし下がってんだろ。「ちょっと高いね」。あら。「もう一回」。測りすぎだろ。「あらら」。あらら。「こういう場では緊張で高くなったりしますからね」「まあ普段から血圧も気にするようにしてね」「お帰りあちらでーす」。なんか問題無い扱いされた。これはこれでどうなんだ。普段の血圧って言ってもどうやって気にすんだよ。これ医療系漫画の新エピソード導入の数ページだろ。医者にスルーされて安心して帰った定食屋のオッサンが数ヶ月後の厨房で朝の仕込み中に倒れてるところ見つかるやつだろこれ。町工場のオッサンの場合もある。

 

しかしお帰りこちらでーす。不安になってきた…。血圧計買わなきゃ…。あとスーパーで血圧下がるヨーグルト買ってきた…。あとはありがたい壺とか買うべきか…。運動とかはしたくない。なんか魔法のような解決を望みたい。真っ当な努力をして得られる良い結果などに何の価値があろうか。もっとこう、飲むだけで5キロ痩せたり、塗るだけで毛穴が綺麗になったり、ブロック消すだけで溺れそうな王様を助けたりしたい。急がば回れとか要らねえから。俺は急いでいる時には急ぎたい。楽して結果を得たい。なんかギャバで血圧下がるチョコとかも売ってるし、こういうの食いまくりゃよくない?  もうこれで解決でしょ。急ギャバ回れとか言っても良い? 血圧計で毎日測ってチョコ食ってヨーグルト飲んで壺眺めてりゃOKなんだろ。まったく簡単だ。

 

 

健康診査(ベンのテーマ)

この前健康診査があったんで、最近は色々食事に気を付けたりしてたんですわ。脂質を抑えたり野菜を摂ったりよ。ほら血液検査で何がしかの異常な数値出たら、いやでしょう。


健診がある時だけ気を付けて数値を良くする意味はあるのか?と聞かれればそりゃそうなんですけども、人はそう理屈通りに生きちゃいない。人間の身体の中身って数値くらいでしか分からんだろ。ならその数値さえ良くしてしまえば解決する気がしない? 俺にとって認識出来ない物は存在しない物と同義である。残酷な神がする支配と同じような理不尽さを以って、俺がするのは尿酸値の操作である。


ほんでほら、事前に健診センターから何やらセットが届いた。問診票と検便の採取セット。やっぱ健診と言えば検便よ。検尿と検便は健診の華ってな、てやんでい。取るのは小の便と大の便。つまりべんべん。小は当日の朝に取る。大は1週間前から健診日までの間に2回取ればよい。小は1回大は2回である。つまりべん、べんべん。郵便配達は二度ベルを鳴らし俺は三度便を取る。


そして健診の1週間前になった。早速作業に取り掛かる。「そんなに早くから取る意味はあるの?」「当日と前日にやれば良いんじゃ無いの?」と聞かれれば片眉を上げて答える。お前には便がいつでも出る保証があるのか? 100パーセントの保証、そんな物はこの宇宙に無い。もし次の日も、そしてその次の日も出なかったらどうすんだよ。健診の会場で「それでは検便の提出お願いします」って言われた時に手ぶらのお前はどうするんだよ。下を向きながら「何の便意も! 得られませんでした!」って叫ぶのか。良い年してそういうパロディすりゃ許されるとでも思ってんのか。出る保証がないなら取れる時に取れよ。だろうだろう、明日もウンコが出るだろうってか。まっこと楽天的。おめえみたいな楽天ゴールデン野郎を「だろう検便」と言う。それは俺のようなきちんと生きている「かもしれない検便(明日は便秘で出ないかもしれない)」な人間の対極にありお前は今すぐ免許返納しろ。


そして善良な私は詳しく描写しないがべんべんしたのです。オッケー。オッケー? いや、取ったけど。これ1週間どうすんだ。どこに置いとくんだよ。冷暗所に保管して下さいって書いてあるけどどこだよ。冷暗所っていったら例の生活家電か? 頭おかしいか? 一番置いちゃいけない場所だろそこ。というかそんなの置いて良い場所って家の中にあります? 収納でも生活家電でもどこでも、その場所のメーカーに「便を置いても良いですか」って問い合わせしたら「ダメです」って言われると思うよ。つまりどこに置いてもダメじゃない? そして家族に見つかったらアウトじゃない? 例えば子どもが家の中で探索しててさ、目新しい袋見つけて何コレ秘密のお菓子かな?って開けると中から父親の便が出てきたらトラウマだろ。成人してから訴えられるやつだろそれ。そして見つからなきゃ良いってもんでもなくない?  みんなに黙って生活スペースにべんべんを隠しておいたというトゲは死ぬまで俺の胸に刺さり続けない?


なればべんべん置くのが許されるのはおトイレしか無いのでした。なんかトイレの棚の上の、普通に使ってたら視線が届かない枠みたいなとこに置いた。ギリOKだろここ。トイレにウンコあって悪いのかってな。もしこれで訴えられたら反訴するわ。骨肉の争いだよ。骨肉というか便だけど。それでは1週間そこで待機しててね。そして明日も取らねばなるまい。べべんべん。

お誕生日

お陰さんで48歳に到達したんですけども、いや、特に誰からもなんのお陰も頂いていないけども。というよりむしろ俺が陰。俺が陰そのものであった。日本妖怪お陰さん。夜道を歩いていると後ろから何やら音がする。ぺとり。ぺとり。まあそれはアレで。48歳おめでとうございます。ありがとうございます。

 

でもなんかあと2年で50歳みたいな噂も聞いて? いやいや。あと2年で50歳? それはちょっと計算おかしくないですか。おかしいですよお陰ジナさん。普通に考えておかしいだろ。50なんてのは明らかにまだまだ先の話でしょう。そんなあと数年でなるわけがない。一体どういう計算をしているのか。ゆで理論かよ。「今の年齢48に、2年後の2を足して、48+2の、死んだ親父の年齢を上回る50歳だー(キュルルル)」ってか。アホか。草も生えんし角も折れんわ。計算おかしいだろ。年齢増えすぎだろ。リボ払いかよ。

 

ついこないだまで若かったからね。最近ようやく「まあおっさんかな」くらいでしょ。なのに48+2が50になるわけがない。アホかその計算。1+2=パラダイスかよってな。知らないんすか。そういうタイトルの漫画が80年代にあったんすよ。男が1で女が2でさ、まあ足したらパラダイスなんですわ。どういうパラダイスかってのは、そりゃあ、まあ、そういうパラダイスだよ。ならばついでに聞いていけ、俺の80年代、パラダイスのメモリーを。

 

昔は田舎に住んでたもんで遊び場なんて山とか森でな。ある日そこで一人で遊んでいると大量の漫画雑誌が捨ててあったわけよ。捨てて間もない感じでまだ綺麗でな。そら持って帰りますわ。だって漫画いっぱい落ちてんだで。ジャンプとかもあるけど週刊じゃねえし。週刊ジャンプじゃない漫画雑誌なんてサブカルなもんオラ読む時ねえだよ。拾うだで。何往復もして家に全て運んだ。

 

ほんで自分の部屋にドカーンと拾った漫画積み上げてな。読みまくり人生のスタート。家族も疑問に思って尋ねてくるが、拾ってきたと言うと怒られそうなので「頼んで譲ってもらった」とお茶を濁す。漫画を読み耽るワタクシの横で家族もそれを手に取り、パラパラとページを捲り、手を止め、沈黙、「フーン」と去っていく。その所作に違和感。まあ良い。俺は漫画を読みたい。そしたらなんか、あらら、ちょっとなんというか、気のせいなのか分かりませんが、月刊漫画誌なんかはある種の漫画が多くてらっしゃいますね。あらら。ふむふむ。ほうほう。なるほどー。あらら、やるっきゃないなー。パラダイスだなー。おやおや。楽しい楽しい。そして隠された事実に気付くのに数ヶ月掛かった。

 

全ての雑誌の巻末、目次のページ。エッチな漫画だけタイトルに印が付けてある。あ、なるほど。そういうアレでしたか。一応一般漫画誌ばかりだったんで気付かなかった。しかもなんかそれぞれ数字が書いてある。なんの数字だよこれ。山の中に暗号置いとくみたいなジュブナイルか。それともあたまおかしいのか。そしてもしかして家族の者らはこれに気付いていたのか? 聞くか? 聞けるか?

 

30年以上の時が経ち、今はもうその答えを聞くことも出来なくなってしまった。父さんあの本覚えていますか。あの数字はなんだったんでしょうね。いや、知っています。分かります。明らかにエロい順番で数字がふってあったと思います。僕の感想とも大体一致しましたので間違いありません。あれはエロい順です。どなたかのエロコミレビューです。

 

エロに貴賎無し。評価や順番付けてんじゃねえぞ。ジェームス三木かよ。というかそれ俺の仕業だと思われてない? 頼み込んで譲ってもらった本からエロの香りを嗅ぎ分け、次々にレビューをしていく怪物(ハイパーエッチクリエイター)が我が家にいると思われていた?

 

そこに至った瞬間、少年の心の闇が一層濃くなり、お陰さんが誕生した。あなたが夜道を歩いていると、背後からぺとりぺとりと音がする。振り向くとそこには。漫画雑誌を拾い集める異形の物。目次にエロい順で番号を付けていく。悲しきソムリエ。日本妖怪お陰さん。

 

というのが80年代の思い出ですので逆算すると? もうすぐ50ってのもあり得る? あるわ。あり得てしまうのか。でも50ってもっとこう、アレじゃないの。あの頃思い描いていた50の大人となんか違わない? まだ間に合うか? どうすんだ? 選挙とか出ればいいのか? それともその逆か? 大人だから、こう、エロなんじゃないか? エロは大人のものなんだからそれに関わる事で大人足り得るんじゃないか? じゃあ俺も漫画雑誌にレビュー付けちゃうか。下着がチラリしてるのでプラス1点です。でも点数付けてどうすんだ。そんなレビュー付けて何しろってんだ。レビューさえ付ければ大人なのか。

 

分かるだろ。山に捨てるんだよ。そして他人に拾わせる。己の価値観、レビューを誰かに見せつける事で暗い悦びを得る。人の人生を歪める。心に闇を植え付ける。しかしそれが大人なのだとしたら、そんなものになりたくは無かった。

節分

先週の話なんだけど、なんか腹を壊した。壊したといっても修理は出来ず(既に保証期間が切れている)、ウンウンと唸りながらトイレに通っていただけなんだけども恐らくこれは豆の所為。豆は消化に悪い。食いすぎると良くない。

 

しかしスーパーでは2月にもなると、ワタクシ節分でございますみたいな淫婦の顔をしてレジ横に豆が売ってるわけよ。何のために季節商品がレジ横に置いてあると思っているのか。アホな消費者の衝動買いを誘っているのだ。消費者よ。君はアホだと思われている。しかしそんな簡単に行くだろうか。普段豆など食わない人間が、節分だからといって急に豆を食い始めるだろうか? 消費者というのはそこまで愚かだろうか。鏡の中の男に向かって問い掛け続けていると気が触れた。豆ボリボリ。

 

大体ちゃんと恵方巻きも食いましたわ。なんか特設コーナーで売ってたから。売ってるの見たら食いたくなった。まあ折角買ったんだし? ちゃんと恵がある方を向きながらガブガブ食った。ジジイの世間では恵方巻きの話などするとヒネた奴らが「恵方巻きなどという風習は一部の〜」「商業主義に踊らされて〜」などと言ってきますけどもうるせえ。俺は食いたいから食いたい物を食った。これがマッチョイズム。

 

そもそもそれで言うなら恵方巻きどころか豆まきも許されないだろ。「恵方巻きは無しで豆まきは有り」みたいなツラしてんじゃねえぞ。なんなんだ豆を投げて鬼を退治するって。食い物投げてモンスター退治って。一部の風習どころか完全に蛮族の風習だろ。世界オモシロ祭りみたいなのでトマト投げ合う祭りを笑ってる場合か。豆を投げて鬼やっつけてる方がクレイジーだろ。ゲーム感覚か。FPSか。豆投げたくらいで相手が死ぬみたいなのをさ、ガキの頃からやってっとさ、命の重みが分かんなくなっちゃうんじゃないの。手に血の付かない方法で簡単に命を奪えてしまう。良くないと思います。更に魚の頭を串刺しにして玄関に飾る? それはお前…流石にダメでしょ…。言い訳できないよ…。悪霊追い払うためにそれするって、まんまデビルマンの民衆かよ。

 

というのはあなたに付けたケチであって、ワタクシは豆も恵方巻きも食う人間ですので許されるのです。スーパーに特設コーナーがあれば大体覗きます。踊らされているのでありません。自ら踊っているのです。踊るビーンイーターです。なおかつ腹を下しています。腹を押さえながら、食らい踊る。そして悪臭を放つ。昔の人間はそのような存在を目にした時、鬼や悪霊と考えたのでは無いだろうか。俺も魚の頭持って追いかけられたら多分逃げるし。豆当てられたら痛いし。そういう事か。(因果の歪むエフェクト)

同窓会

帝国歴202x年、突如として大きなLINEグループが出現。そんで中学時代の同級生が同窓会やるとかやらないとか言いよるわけよ。今まで何十年もやってなかったくせにこいつら急に何言ってんだって思ったっすよね。今になって芽生えた、老いに対する恐怖からの逃避とかそういうやつか。でも。いや。それとも。もしかして。やってた? 今までもちゃんと同窓会やってました? もしかして定期的にやってた? 今回手違いで俺がLINEグループに紛れ込んだだけ? その線はある?

 

考えるべきでない事は考えない。あいつらより俺の方が逃避は得意だよ。大体そういうの確かめる事に意味はある? 事実を観測して確定する必要は無い。観測しない限り猫は俺の胸の中で生き続けるのだ。(見上げた空にはうっすらと猫の姿)

 

それはさておき同窓会自体は。デデン。行かない。「行きたいんだけど残念ながら都合が〜」みたいなメッセージ出しといた。何しろ物理的に遠い。日帰り出来ない距離。なおかつ「懐かしい面々」に果たして会いたいか?というのもある。卒業後もたまに会ってたやつならまだ良い。そうではない、30年以上も顔を見てないやつに会ってもどうすっだ? なんかショック受けない? 記憶の中では15歳だったあの子が40代になって出てきて「今はニジノハハやってま〜す」とか言いよりますねんよ。アホか。ギャップ萌え狙いか。意味わからんわ。なんだニジノハハって。虹の母かよ。メルヘン気取りか。じゃあ俺は雷の父にするよ。今日はオリュンポスから来ました。そしてあいつは天の叢雲。我ら天上よりよろしくな。

 

ニジノハハどころじゃねえな。二児っつうか普通に子供が独立してる可能性すらある。危うい。そういやそれくらい時間経ってた。というか既に同窓会終わって写真送られてきた。ひどい。参加してないのに変化見てしまった。確かに面影はある。しかし皆さん明らかに姿が変化しておられる。モーフィング。誰だこいつら。おかしい。みんな40代みたいに見える。これだけ人がいてみんな40代って、偶然にしては出来すぎでは? このおっちゃんとおばちゃんたちは誰なんだ? 勿論私もおっちゃんであるのだけれど。まあ聞きなさいよ。もしこの中にアタシが紛れ込んでたとしてだよ、一体何の話しろって言うんだよ。なんとなくぼんやりと面影を残したオッサンに「ニジノチチやってま〜す」って言われてもどう返しゃ良いんだ。意味わからんわ。なんだニジノチチって。虹野父かよ。ときめきメモリアルか。じゃあ俺は片桐兄な。ソーファン。そしてあいつは早乙女妹。プロレスだーうおーうおー。

 

というような話を良い年したオッサンが言い出してもだよ。ポカンとされるでしょ。その後バカにされるんならまだ良いけど、微妙な空気のまま流されて大人の対応されるでしょ。なんたる恥辱。まっこと耐えられん。

 

ほんで写真と一緒に「欠席者の⚪︎⚪︎君から差し入れを頂きました」とかも報告があるわけよ。あ? 差し入れ? 何だよそれ。意味分からん。差し? 入れ? 差し入れとは? セックスの隠語か。じゃあ差し入れを頂くってどういう意味だよ。真言立川流か。(頬を赤らめながら)差し入れ頂戴いたします…(衣擦れの音)。

 

いや。違う。なるほど差し入れ。その発想が無かった。欠席者がそういうのするとちゃんとした大人みたいな感じ? これみんな知っててちゃんと差し入れしたりしてんの? 特殊な田舎にある土着信仰とか、近年になって造られた奇習とかじゃなくて? キリストの墓とか盆踊りの歌詞が古代ヘブライ語で解読できるみたいな? そういうアレでは無くてちゃんとしたアレかー。しっかりとした人生送ってないから思いつかなかった。俺も何か差したり入れたりするべきだったか。差し入れなんてしなくても別に問題ないとかはどうでも良い。マイナスじゃ無いからOKなんて話では無い。俺はちゃんとした大人に見られたい。気の利く人でありたい。人から良く思われたい。会話はうまく出来なさそうだけど皆んなの良い思い出になったりチヤホヤされたりはしたい。ほんで何差し入れすりゃ良いんだ。どこに送りゃ良いんだ。もう手遅れなのか。差し入れマンの株は上がったのに俺は皆の気にも留められないのか。存在自体認識されないのか。「ああ、そういえば来てなかったね」みたいな感じ? じゃあどうすんだよ。俺は人から良く思われたいって言ってんだろ。それが出来ないならもう良いよ。やってやんよ。欠席者の雷の父から裁きの差し入れでーす。ゴロゴロゴロー、ピシャーン!

免許更新で警察署

 

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ほんで前回↑の続きなんですけど、写真も用意できたし警察署行ってきたのよ。そう、警察署。知ってる? そこにはお巡りさんがいっぱいいんの。怖いんのよ。悪い事してないから平気だってか? 清く正しく生きてきましたってか? おっしゃるおっしゃる。じゃあおめえは真実の口がマジだったとしても躊躇なく手え突っ込めんのかってな。死後天秤の皿に心臓を鼻歌混じりで乗っけられますかってなあ? 出来るってんならお前、それはそれで正しく無いよ。そういう事を躊躇いもなく出来てしまう人間ってのは、正しく無いと思うよ。

 

そこではい、正しい人間が私です。人間というものは負の側面も持っていてこそ正常なのであり、ワタクシはその点、世間様が大罪と認めるところの怠惰、色欲、嫉妬、憤怒、怠惰、色欲、色欲、七つ全て備えております。そのワタシがポリスステーションにインしたお。正しい人間が車で行くと捕まる可能性がアップするので自転車で行った。防犯登録シールを再度確認した自転車を慎重に駐輪場へと停め、警察署の敷地内に入る。ぬるり。魔を防ぐ結界をくぐるようなこの感覚。心が折れそうになる。もうダメだ。捕まる。アッ、アッ、メンギョの更新コーナーはドゴデスガ。

 

案内板に従い階段を昇った先に免許更新コーナーは存在した。でもあれだろどうせ、なんか仏頂面の警察官がダルそうに応対すんだろ。質問とかしようものなら溜息つかれてさ。「ですから先程(ボソボソと早口で)説明したとおりですねえ…」みたいな感じで。あんたらその作業毎日やってるか知らんけどこちとら5年に1回だってな。恥辱。まっこと耐えられん。しかし行かねばならないイカネバの娘。アッ、アッ、メンギョの…。「こちらからお願いします」。アッ。

 

なんかタッチパネルの機械があってそこからピッピするらしい。わあいハイテクなんだあ。機械は溜息つかないから好き。ピッピッ。住所変更やらのメニューが並ぶ中、更新の項目を選択。現在の免許証を挿入。ウィーン。なんか出てきた。機械の下から溜息ではなく紙が出てきた。更新の申請書みたいなやつ。そこに手書きで記入して窓口に提出するらしい。ハイテク?

 

書いた。出した。「写真は後ろの…」。アッ、ハイ。写真はちゃんと持ってきました。写真と書類提出。「それでは番号を持ってお待ちください」。はあい。待合椅子に腰を掛ける。準備万端で良かったね。ていうか後ろ? 写真は後ろとは? 背後のコーナーを探索すると普通に証明写真機が置いてあった。おい。あんのかよ。わざわざ撮ってくる必要無かったのか。ていうかKi-Re-iじゃねえかこれ。なんで公的機関にKi-Re-iがあんだよ。1100円払ってキレイになる事を警察が勧めてんのか。ダメでしょ。そんなんルッキズムでしょ。コーボクがキギョーと癒着してんのか。つまり政治が悪い! ハーン。「⚪︎⚪︎番の方ー」。はい。

 

番号を呼ばれたので馳せ参じた。なるほど視力検査。ここでも俺準備バッチリよ。ちゃんと度が強めで車運転用のメガネ持ってきた。これにて見えまくる寸法。検査の機械を覗き、穴の方向を見定める。右です上です左です。「うーん?」。え。「ギリギリ見えてはいるみたいですけど夜間はちょっと…」。まじすか。「眼鏡を調整した方が良いですね」。はい。なんかオマケで通過した感じみたいになった。さっきは何か悪口みたいな感じになっちゃっててスンマセンした。けどそんな視力落ちてます? 年齢か? Zoff行かなきゃ…。

 

あとはドン。手数料払って終わり。これもまたおめえ、なんとかペイとかクレカでも払えるようになってんのよ。はあ、世の中色々進んでんだねえ。君ら昔はあんなだったのにねえ。念の為に持ってきてたおっちゃんのハンコいるか? 押しちゃろか?  「3000円です」。あ、はい。「あと500円追加で交通安全協会に入られると様々な特典が…」。へへっ、すません、結構です(今日一番の卑屈さ)。タッチ決済でチャリーン。じゃあ新しい免許くれ。「後日取りに来るか書留で受け取って下さい」。そういやそうだった。また警察署に来るの面倒だから書留が良いです。書留いくらですか。「1000円です」。やっぱり警察署に取りに行きます。1000円って。俺ぁZoffで眼鏡買わなきゃなんねえんだよ。ほんで免許はいつくれんすか。「2月末から3月頭ですね」。

 

いや。3月って。いや。そんなに? 今1月だでよ。例え2月末でもひどくない? 1ヶ月以上よ? 1ヶ月もあったらネズミの繁殖サイクル終わってるだろ。なんなんこれなんなん? オンライン講習を受けた仕打ちがこれなの? そういうもの? こんなんじゃ最初から免許更新センターでカレー食いながら即日交付受けた方が良かっただろ。もう怒った。何がオンライン講習だよ馬鹿馬鹿しい。次はこんなんしませんからね。もうオンライン講習なんかしないで直接免許センターにオブジアースだよ次は。次はね。次。でも次って5年後? 5年先もオンライン講習あるのか? もっとすごいやつ出来てない? 昔あんなんだったのが今こんなんよ。じゃあ5年後はもっとすごいんじゃないの。月面都市からAIが無慈悲に脳内へと直接講習してきたりしない? 視力検査に引っかかったらIPS細胞で新しい眼球もらえたりしない? 軌道エレベーターで免許証受け取りに行ったりさあ。5年後の俺がカレーを食っているのは幕張の免許センターなのか、それともフロリダの宇宙センターなのか。シンギュラリティ。ありえますよこれは。

免許更新オンライン講習

そろそろ免許証の更新だってんで届いた更新ハガキ。そいつにオンライン講習がどうこうとありまして。更新時の優良者講習をオンラインで受けられるというのを試験的に一部の地域でやっているわけですね。ワタクシ当然エリートですからゴールドの優良者でござぁあすし、一部の地域(北海道、京都府、千葉県、山口県の4道府県)つってもエリートは当然その辺に住んでますんで受講可能でございますのでおいでやす。別に京都には住んでないです。

 

だもんでオンライン講習を受けようか。受けまいか。しかしなんだかオンライン講習を受けても、結局視力検査やら免許証の受け取りやらは運転免許センターか警察署に出向かなければいけないらしい。なるほど。あ? じゃあこれ意味ある? 意味なくね? あるか? ある。あるのだ。まず運転免許センターには行きたくない。遠い。あれたくさん並ぶ。並ぶ良くない。並ぶだるい。並びのやつらがみんな誕生日近いのも気持ち悪い。あいつら結構水瓶座だろ。この気持ち悪さ、居心地の悪さが分かるか。星の巡りがどうこういうオカルト的な話ではない。幼少時から培われた、己の属性に対するイメージがよお。え、あの小汚いオッサンも水瓶座なの? みたいな。アニメはクリスタル聖闘士がよお。

 

というのは置いといて、警察署で講習受けるのも良くない。長時間あの建物内に居たくない。法の番人が守っているのは法であって俺では無いのだ。パトカーの横を通る時は今でも緊張する。いや。別に悪いことはしてない。まあ実際警察署なら自転車で行けるし講習受けてもいい。運転免許センターすら本当はそれほど嫌じゃない。どこのセンターでも大体俺は昼にカレーを食う。ただオンライン講習をよ、試験的にやってるやつをよ、折角受けられる立場にあるってんならそら受けるでしょ。受けてみるでしょ。そういう場面で受けないようなやつだからお前はダメなんだよ。知らない海には飛び込みませんってか。エサにありつけなくて死んでいくペンギンだよお前はよ。プッ。ビチャ。

 

というわけでオンライン講習受けた。土曜の深夜1時に。早速オンラインの利点を享受した。ほんでなんか、スマホかPCでマイナンバーカードをピッピすんのよ。そしたら専用のサイトに繋がって講習の動画を観られんのよ。ほんでも説明によると、なんだか視聴中にカメラで自分の顔写真を撮られるとかなんとか? なんで? ちゃんと本人が観ているかチェックしてんだって。こっわ。監視社会。ディストピア。勝手に撮られんの? ハッキング? やっべ。たまにそういうメール来るわ。スマホ観ながら何かしている俺のはしたない姿をインカメで撮影したので公開されたくなければビットコイン払え、とかそういう。怪しい日本語で要求してきますわ。でもインカメで撮られるはしたない姿っておかしいだろ。画角考えろよ。どんだけ画面から離れてやってんだよ。老眼かよ。あ、俺老眼だわ。じゃあやっぱマジで撮られてたのか。ビットコイン払うか…。

 

払わない。まあ現代は監視社会ってんならしょうがないからちゃんと画面観るわ。はい動画再生開始。いつ撮られんのか分かんない。撮られた時分かんのか。今か。もう撮られたか。まだか。気が抜けない。終始キメ顔。いや。キメ顔っていうほどのツラでも無い。必死に目を見開いて画面観ているアピールをしている。くわ! どちらかというとキマリ顔。くわ! くわ! 最早表情筋が持たない。キメとキマリが抜けていく。その瞬間に写真を撮られたらマズい。ヘブン状態! 頑張れ。くわ! あ、なんか画面変わったわ。顔写真を撮影するので許可して下さいだって。普通に画面変わって許可求めてきたわ。シャッター押すの自分だわ。そらそうな。お国がハッキングは違うかったわ。ではハイ撮ります。くわ! パシャ。

 

あと写真撮影だけじゃなくて簡単な質問をされる。ちゃんと動画観てた子なら分かるよね的な。でもこれ交通関係に特有の「誰も見てないなら轢き殺してもいい。⚪︎か×か」的な質問だけど動画観てた意味あるのか。講習の動画自体はいつも通り、人形が吹っ飛んだり刑務所内で後悔したりするやつ。ただ昔より内容がマイルドになってる気がする。時代の流れか。

 

後はオマケの啓発動画とオンライン講習に対するアンケートがある。オマケ動画はスキップ可能。なるべくなら観て下さいって書いてある。でもほら、深夜2時近くて、眠かったから、あと、ハッキング疑惑のせいで疲れてたから。だもんでオマケ動画はアレさせてもらってアンケートに答えますね。ごめんなさいね。そしてアンケートには「オンライン講習の使い勝手はどうだったかな」的な項目が並ぶ。慣れた手つきで「やや良い」か「やや悪い」を選択していく。「良い」や「悪い」は決して選ばない。これぞ日本的回答。ジャポニズム星4つです。アンケート終わった。

 

あとは免許証用の写真撮って警察署行く。今までずっと免許センターで撮影した犯罪者ヅラだったから、どうせならちゃんと撮れる証明写真機にする。調べるか。ハイこちら。ご近所に証明写真機「Ki-Re-i」があるそうです。なるほど。いや。Ki-Re-iって。おい。これ盛れたりすんのか。お前、40代のおっさんでもこれ許されんのか。それとも「私Ki-Re-i?」ってマスク外す感じのキレイか。都市伝説とか怪異の類か。ポマードポマードポマード。あ、だったら俺でもOKか。俺が怪異か。なるほどね。じゃあいっちょ撮ってくるわ。と、その前に散髪したわ。オプションで眉カット頼んだ。ガチだよ俺は。ワタシKi-Re-iだよ。それでは準備完了ブースにイン。あ、1100円。料金は1100円ほどお取りになられる? なるほど。1100円…。600円とか精々800円くらいだと思ってた…。まあ良い。もはや後には退けない。準備完了キメ顔くわ! くわ! シャッターいつだよ。ああ、まだモードとか選択してなかったわ。キメ顔(キマリ顔)のままモードを選択。撮影OK。くわ!「それでは撮影します」。くわ!「3」。くわ!「2」。疲れた。「1」。ヘブン状態

 

ざーんねん。撮り直し可能なんです。何故なら1100円だから。お1100円のお機械様はなんと撮り直し出来ちゃうんですぅ。はい撮り直しプリント完了大成功。800円くらいの機械を使ってる奴らはどうせ一発撮りなんでしょ? 例え半目でもプリントするしかないんでしょ。ざまあ見ろってな。貧乏人はハンメハンメにハンメラビだってか。お前もその仲間(半目)に入れてやるってんだよお。ああ、1100円の機械って素晴らしい! まあ800円の機械が本当に一発撮りかどうかは知らない。調べない。見たくないものは見ない。俺は失敗していない。高い買い物などしていない。今までの人生で間違った事は一つもない。間違いを認識しなければ存在しないのと同じなのだ。そんなものは見えないのだ。そう決意した瞬間から、恥の多い人生を送ってきた男の目には何も映らなくなったのです。暗い…ここには何も無い…。いやでも次は警察署で視力検査あるんで。やっぱ現実見とくわ。ポチッ。おやおや、800円の機械も時間内なら何度でも撮り直しできるんだって。アッソ。つってもこっちはKi-Re-iに撮れっからよ。バーカ。