激かメ人間伝

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続・健康診査

この間の話↓の続きなんだけど〜。

 

kebio.hatenadiary.org

 

そして健康診査当日の朝。小さきベンも採取したので3つのベンが揃いし時来たれり。灰色の衣を纏いし者、健診に出立する。俺の服は大体灰色である。黒では無い所に僅かな矜持を感じ取って欲しい。でもでも〜、なのに〜、はたから見たら黒も灰色も大して変わらんの〜? ホゲェ〜。

 

本日の健診は市民会館のような場所で行われるので自転車で向かう。知らん人たちと一緒にベルトコンベア式の流れ作業で健診を受ける。これはエリートほど効率的な扱いを受けるということかもしれない。エリートほど規格化されている。自転車で健診に行くところもエリートっぽい。西海岸のエリートは自転車に乗っているイメージがある。良く考えられている。

 

着いた。その日、市民会館では音楽の発表会のような催しも開かれており、入り口は着飾った連中で溢れていた。輝いている。そうした青春と隣り合わせに、灰色のエリートは便を入れたリュックを背負い市民会館の門をくぐった。そして青春たちは華やかな大ホールへと向かい、ベン・リュックマンは薄暗い地下にある健診受付に向かう。言うまでもなくリュックも灰色である。

 

受付に到着し、受診券や記入済みの問診票などを差し出す。いや、大事な物を忘れていた。大変な思いをして保管しておいたベンらもお渡しせねばなるまい。ごそごそ。はい。お届け物です! 「私このベン嫌いなのよね」。突き返された。受付に出すものではなかったらしい。

 

ベルトコンベアで流れていった先でベンは受け取ってもらえた。ベルトは更に流れていく。まずは血圧を測る。ブーン。あ? 見たことない数字出た。なんか高くね? 「もう一回測りますね」。ブーン。変わっていない。「リラックスしてください。もう一回測りますね」。ブーン。んっ…。大体よお、リラックスしろって言われてリラックス出来るやつそうそう居るか? 就寝中にベットの下から俺がズリズリと這い出てきて耳元で「リラックスしろ…」って囁いたらお前はリラックスすんのかってな。

 

しかしベルトコンベアの流れは絶えずして、身長体重を測ったり採血するのごとし。俺は採血の時、刺される部分を凝視する。マッチョイズムによるビビってないぞアピールである。というかどこを見れば良いのか分かんない。あれ目を瞑ったりすれば良いのか。それとも虚空を見るのか。あ、痛い。いつの間にか刺されていた。泣きそう。

 

更に流れるベルトコンベア。流されて問診島。問診スペースでお医者様が待っておられた。「血圧高いね〜」「もう一度測ってみますね」。また測んの。まあ採血後だし下がってんだろ。「ちょっと高いね」。あら。「もう一回」。測りすぎだろ。「あらら」。あらら。「こういう場では緊張で高くなったりしますからね」「まあ普段から血圧も気にするようにしてね」「お帰りあちらでーす」。なんか問題無い扱いされた。これはこれでどうなんだ。普段の血圧って言ってもどうやって気にすんだよ。これ医療系漫画の新エピソード導入の数ページだろ。医者にスルーされて安心して帰った定食屋のオッサンが数ヶ月後の厨房で朝の仕込み中に倒れてるところ見つかるやつだろこれ。町工場のオッサンの場合もある。

 

しかしお帰りこちらでーす。不安になってきた…。血圧計買わなきゃ…。あとスーパーで血圧下がるヨーグルト買ってきた…。あとはありがたい壺とか買うべきか…。運動とかはしたくない。なんか魔法のような解決を望みたい。真っ当な努力をして得られる良い結果などに何の価値があろうか。もっとこう、飲むだけで5キロ痩せたり、塗るだけで毛穴が綺麗になったり、ブロック消すだけで溺れそうな王様を助けたりしたい。急がば回れとか要らねえから。俺は急いでいる時には急ぎたい。楽して結果を得たい。なんかギャバで血圧下がるチョコとかも売ってるし、こういうの食いまくりゃよくない?  もうこれで解決でしょ。急ギャバ回れとか言っても良い? 血圧計で毎日測ってチョコ食ってヨーグルト飲んで壺眺めてりゃOKなんだろ。まったく簡単だ。